今、サッカー日本代表を招集するならベストメンバーは? (2ページ目)

  • photo by Sano Miki

久保建英中心の代表になるのではないか

小宮良之氏(スポーツライター)

久保はライバルに大きな差をつけ、右サイドを任せられる久保はライバルに大きな差をつけ、右サイドを任せられる 2018年ロシアW杯日本代表をアップデートさせる。

 それが、森保一監督に与えられた最初の使命だった。滑り出しは絶好調。昨年後半、チームは停滞したが――。

 組み替えたメンバーは、今もベストに近いだろう。

 GKは、権田修一、シュミット・ダニエルが欧州へ移籍し、出場機会を重ねている。一方、中村航輔は柏レイソルで韓国代表キム・スンギュと熾烈なポジション争い。3人は一長一短のほぼ横一線で、権田が一歩リードか。

 ただ、個人的には中村のガンマン的な読みと、反応の鋭さを推したい。

 CBは、セリエAでもポジションを得た吉田麻也が実績と経験で抜きん出ている。相棒となる冨安健洋も、セリエAで守備者として成長中。鉄板のコンビだろう。帰国した昌子源は後れを取った印象だが、贅沢なバックアッパーと言える。

 SBは、右は酒井宏樹、左は長友佑都。酒井は守備者として頑丈で、強く速く高いだけでなく、攻撃にも厚みを加えられる。室屋成が二番手も、替えは利かない。長友は老練さを増したが、衰えも見え、ポルトガルでプレーする安西幸輝の台頭が望まれる。

 ボランチは、柴崎岳、橋本拳人のふたりの優位は動かない。橋本はJリーグベストイレブンを受賞し、ロシアへ移籍。「長谷部誠の後継者候補」として、遠藤航との違いを見せられるか。柴崎のプレーセンスは群を抜くが、スペインで3部降格の順位に喘ぐなど、守備の脆さが浮き彫りに。川崎フロンターレで進境著しい田中碧は攻守に非凡で、今後は定位置を奪うか。

 サイドアタッカーは、右が久保建英、左は中島翔哉か。久保は堂安律や三好康児など左利きのライバルに大きな差をつけた。彼中心の代表になるのでは。中島はポルトで低調なシーズンも、欧州トップレベルのチームで10番をつけ、カップ戦を含めて30試合近く出場した。右から切り込む攻撃力は、今も日本人トップだろう。

 ただ、ここは下剋上あり。乾貴士、安部裕葵、食野亮太郎、中村敬斗、遠藤渓太など欧州組の候補は多く、横浜FCの松尾佑介、川崎の三苫薫も面白い存在だ。

 トップは大迫勇也、南野拓実。大迫のポストプレーの質は、戦術を支える。彼がいない場合、南野がトップへ。森保ジャパンで最多得点の南野は、リバプールでも1トップを任され、どこでも順応できる。

 トップ下に鎌田大地の布陣も悪くない。ベンチに置きたいのが、スペイン2部でチームを1部昇格に導いた岡崎慎司。その得点センスは今も世界標準だ。

 最後に、現メンバーのベストを選ぶなら、長谷部誠は欠かせない。代表引退の撤回はないだろうが...。3バックでも4バックでも、どこでも適応できる日本サッカー史上最高の戦術的プレーヤーだ。

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