遠藤航が語るリオ五輪予選リーグ敗退の真相。「初戦がすべてだった」 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 DFはどうしても失点に絡むポジションですが、それをひとつひとつ気にしていたら、自分のプレーができなくなってしまう。DFは失点したあとに、いかに堂々と振舞うことができるのか。そういう気持ちの切り替えがすごく大事なんです」

 しかし室屋をはじめ、最終ラインの選手たちは、なかなか気持ちを切り替えることができなかった。それは、チームとしても、個人としても「国際経験が足りなかったからだ」と遠藤は思った。

「僕らは、アジアの国とは嫌というほど戦ってきたけど、そこでもなかなか勝てなくて、最後の五輪予選でやっとアジアを制すことができた。リオ五輪は、アジアの国以外と初めて戦った国際大会で、(自分たちは)明らかに世界での経験が不足していました。

 ナイジェリアのような、身体能力を生かした強烈なチームと対戦するのは初めてだったし、足の長さや球際の強さとか、初っ端からそういう(世界との)違いを味わって、戸惑ってしまった。それが、失点にもつながって......。そういう違いは、国際試合をこなしていけば慣れてくるんですけど、この時は(誰も慣れていなくて対応が)"遅かった"という感じでした」

リオ五輪について振り返る遠藤航リオ五輪について振り返る遠藤航 大事な初戦を落としてしまったが、遠藤はすぐに気持ちを切り替えていた。

「コロンビアとスウェーデンが引き分けていたので、ここから2連勝すれば(決勝トーナメントに)行けると思っていた。初戦を落としたからといって、落ち込んでいる暇はなかったです」

 勝ち点3が必要なコロンビア戦。日本はまたもミス絡みで失点し、2-2のドローで終えた。この結果、日本がグループリーグを突破するには、最終戦のスウェーデン戦に勝つことが大前提。そのうえで、コロンビアの結果次第という状況になった。

「(コロンビア戦は)勝てる試合でした。でも、ミスから失点して、それがまた、結果に大きく影響してしまった。初戦の反省をうまく生かすことができなかったのが、残念でした。結局、引き分けて1分1敗となり、(グループリーグ突破は)他力になってしまったので、次(のスウェーデン戦)は勝って、(コロンビアの結果を)待つしかなくなった」

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