「グラスゴーの奇跡」も起きた。永井謙佑が語るロンドン五輪の真実 (5ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kihsiku Torao

「スペイン戦からエジプト戦まで勝ってきたけれど、自信ってすごいなと思いました。みんな伸び伸びとプレーし、試合を楽しんでいた。そういうムードになったのは、やはりスペインに勝ったのが大きかったですね。いちばん大事な試合で、自分たちのやり方がハマって勝てた。その自信が試合に勝つごとに大きくなって、エジプト戦は負ける気がしなかった。そのくらい、みんな強くなっていたんです」

 チームには勢いがあり、選手たちは自信に満ちていた。たしかに、グループリーグ3試合、そして準々決勝の1試合で失点はゼロ。堅守速攻型のスタイルがハマり、現地での評判も高く、いつしかメダル候補とまで言われるようになった。

「ここまで来たら、メダルやぞ!って、みんな気持ちがひとつになっていた」

 永井は、太モモの痛みを抱えながら、準決勝のメキシコ戦に出る覚悟でいた。
(つづく)

永井謙佑
ながい・けんすけ/1989年3月5日生まれ、広島県出身。FC東京所属のFW。ロンドン五輪時のU-23日本代表のFWとして活躍。日本代表国際Aマッチ12試合出場3得点。九州国際大付属高→福岡大→名古屋グランパス→スタンダール・リエージュ(ベルギー)→名古屋グランパス→FC東京

5 / 5

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る