永井謙佑が説くOA枠の重要性。東京五輪に必要な理想の選手も挙げた (3ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kihsiku Torao

 日本は惜しくもメダル獲得はならなかったが、チームは4位という好成績を残し、永井も個人として、世界の同世代のなかでは十分戦える手応えを得た。

ロンドン五輪の日本代表メンバー。永井はオーバーエイジ選手の重要性を語った photo by AFLOロンドン五輪の日本代表メンバー。永井はオーバーエイジ選手の重要性を語った photo by AFLO「U-20ワールドカップに行けなかったので、五輪が初めての世界大会でしたけれど、スピードは通用したと思います。裏に抜ける時は相手を置いていけたし、サイドで縦に抜ける時も体1つ分ぐらいは抜けていた。フィジカルコンタクトも、自分と同じぐらいの選手には臆することなく戦えました。Jリーグでやってきたものが出せたし、それが世界でも通用したので自信になりました」

 一方、メキシコ戦、韓国戦では自らの課題も見えた。

「シュートの意識ですね。メキシコの選手はトラップしてからシュートするまでがすごく速い。日本はトラップしてから『ハイ打ちますよ』という感じだけれど、メキシコは正確にトラップしてすぐ『ドーン!』って感じでした。

 また、違うテンポでシュートを打つことも課題ですね。スペインのGKデ・ヘアは寄せ方がうまいし、隙がない。東慶悟選手のシュートが入ったと思ったら右手ではじかれましたが、こういうGKからゴールを決めるには普通に打ったら決まらない。あとはスタミナです。バテた時フラフラしてしまうので、走り込まないといけないと思いました」

 ロンドン五輪を戦うチームに大きな影響を与えたのは、吉田麻也と徳永悠平のオーバーエイジコンビだった。彼らが最終ラインに入ったことで守備が安定した。エジプト戦まで4試合無失点の堅守を実現し、チーム躍進の原動力になった。

 永井は、オーバーエイジの重要性を、彼らの働きによって身に染みて感じたという。

「オーバーエイジはすごく重要ですね。吉田麻也選手は僕と同じ学年ですが、徳永悠平選手はアテネ五輪でもプレーして、経験豊富で冷静で、しかもプレーでものすごく引っ張ってくれました。ふたりが入って守備が安定し、一緒にプレーする鈴木大輔選手らほかの選手に余裕が出たので、自分たちは思い切り攻撃に行けました。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る