2020.06.15

底が知れん! 冨安健洋は
レベルが上がるほど潜在能力が引き出される

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 東京五輪での活躍が期待されるDF、冨安健洋もそうだった。

 2017年5月、当時18歳の冨安はU-20日本代表の一員として、U-20ワールドカップに出場した。

 結果から言えば、日本はベスト16敗退。南アフリカ、ウルグアイ、イタリアと強豪がそろったグループリーグは辛うじて3位で突破したものの、最終的にこの大会で準優勝するベネズエラとの決勝トーナメント1回戦で、延長戦の末に0-1と敗れた。

 悔しさのなかにも、世界との差を肌で感じることのできた充実の4試合。とりわけ、際立つ適応能力を見せたのが、冨安だった。

 センターバックとして全4試合に先発フル出場した冨安は、初戦こそ緊張もあったのか、バタバタしたところを見せたものの、その後の試合ではさらに相手が強くなったにもかかわらず、彼自身の出来は右肩がりの曲線を描いた。

 吸収力の高さを裏づけるように、冨安は当時、こんなことを話している。

「自分は(この大会で通用した部分に)自信を持つよりも、課題を見つけて取り組むタイプなので。また(この大会で)課題が出たし、それに取り組むだけだと思う」

 日本人選手の中には、国内の試合では高い能力を発揮するものの、国際試合になると相手のスピードやパワー、あるいはリーチの長さに戸惑い、力を出せなくなる選手が少なくない。ところが、冨安の場合はむしろ逆。国際試合でこそ、彼の価値――大きくて、強くて、しかもうまい――は一段と高まる。

 事実、冨安にはJリーグでの、とくにJ1の実績がほとんどない。