2020.06.14

W杯史上最多ファールは日本? 
Optaがツイートした試合を検証した

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Getty Images

 だが、言い換えれば、それ以外のほとんどは完全に体を寄せた状態で競り合ったり、少しだけ足が触れたり、といった細かなファール。オルテガの省エネ目的の演技にしてやられた感は否めない。

 また、当時ちょうど、レフリーの判定基準が後方からのファールに厳しくなったことも、少なからず影響していたのだろう。日本はこの試合、チーム全体で実に34回(驚くべき数だが、アルゼンチンにしても優に20回は超えている)のファールを記録しているが、現在の基準で言えば、おそらくこれほどの数になることはなかったはずだ。

 むしろ日本は、オルテガに前を向かせないことをかなり徹底しており(その結果、後ろからのファールが多くなった)、うまく抑え込んでいた試合である。ワールドカップ史上最多のファール数を記録したと聞くと、何となく不名誉な感じがしてしまうが、決して恥ずべき内容ではなかったことは言うまでもない。

 さて、久しぶりに懐かしい試合に触れてみて印象的だったのは、ファールの数もさることながら、現在との試合展開の違いである。

 簡単に言えば、とにかく緩いのだ。

 全体が間延びして広大なスペースがあり、ボールは両チームの間を行ったり来たり。アルゼンチンの名手ファン・ベロンにしても、スルーパス狙いのプレースタイルは怖さに欠け、今となってはどうにも古い。

 それだけに、日本もやり方次第では勝てそうな試合なのにと、見ていて焦(じ)れったくなってしまうのだが、残念ながら、当時の日本選手には(技術も判断も)ミスが多く、相手のスキをつけるほどのしたたかさはなかった。