「日本代表に誇りを持った」サッカーの醍醐味が凝縮していた劇的な一戦 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

無料会員限定記事

 そして、卓抜としたボールプレーヤーたちが躍動する。前半31分には、MF香川真司が相手DFと入れ替わり、左サイドでボールを運ぶと、DF長友佑都を攻め上がらせ、左足クロスからMF乾貴士がヘディングで狙う。押し込む時間帯もあった。

 もっとも、日本が攻撃を浴びせるたび、ベルギーもパンチを打ち返してきた。GKティボー・クルトワ、MFケビン・デ・ブライネの2人のカウンター意識はとくに高かった。彼らの逆転攻勢への動きは機敏で、それは確実に日本を脅かし、フィナーレへの伏線となるのだが......。

 この時点では、お互いが"殴り合って"いた。

「前からいって、みんなで走って、ボールをつないで、自分たちが目指すサッカーをやり切った」

 長友は、自らの言葉をかみしめるように吐き出した。

原口元気のゴールで日本が先制したが...原口元気のゴールで日本が先制したが... 後半、カオスな展開の試合で優勢に立ったのは日本だ。後半3分、左サイドで、乾が戻っての守備。奪ったボールをMF柴崎岳につなげる。柴崎のスルーパスはベルギーDFにカットされたかに見えたが、裏を走るMF原口元気に通る。原口は腰を入れた右足シュートをファーサイドに打ち込んだ。

 その4分後、乾がクロスを送るもクリアされ、これを香川が拾い、再び乾へ。乾はミドルレンジから右隅にボールをコントロール。飛びつく名手クルトワをあざ笑うように、2-0とした。

全文記事を読むには

こちらの記事は、無料会員限定記事です。記事全文を読むには、無料会員登録よりメンズマガジン会員にご登録ください。登録は無料です。

無料会員についての詳細はこちら

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る