2020.06.05

遠藤保仁が試合の流れを変える進言。
南アW杯デンマーク戦にしびれた

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO


 後半に入ると、デンマークの選手たちが長身にモノを言わせてパワープレーを敢行してきた。放り込まれるロングボールを、中澤と田中マルクス闘莉王が中心となって跳ね返し、阿部が、長谷部がセカンドボールを懸命に回収する。81分にPKを与え、トマソンに決められて1点差になると、デンマークはさらに圧力を強めてきた。

 祈るような気持ちでゲームを見守っていた87分、大久保のパスを受けてディフェンスラインの背後に抜け出した本田がDFとGKをかわして中央にボールを流すと、岡崎が蹴り込んでダメ押しゴールをゲット。本田の心憎いばかりのアシストで、日本は決勝トーナメント進出を掴み取る。

 それまで、親善試合で欧州のチームを下すことはあっても、相手が本気ではなかったというエクスキューズがついた。日韓ワールドカップのロシア戦での勝利は、ホームゲームという大きなアドバンテージが存在した。

 だが、このデンマーク戦はまさしく真剣勝負。その場で欧州の古豪を打ち負かしたのだ。

 デンマーク戦を思い返す時、凍てつく寒さとブブゼラの騒音とともに、興奮と誇らしさが今も胸の中に蘇ってくる。

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