女子サッカー「WEリーグ」創設。プロ化を選ばないクラブへの影響は甚大 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 女性客やファミリー層がスタジアムに来場するようになれば、プロモーション面でも確実にプラスの効果がありそうだ。そのためには、グッズや来場特典を用意するなど入念なリサーチをすべきで、チームの負担は増えるが、地域密着実現には不可欠な要素でもある。

「女子サッカーは面白いですよ。さまざまな角度から検証したことで、『いいところがいっぱいあるじゃないか』と感じています。なでしこリーグとWEリーグは一心同体ですから、常に連携を取りながらやっていきます。サッカーをやっている女の子が、自分もサッカー選手になろうと現実的に思ってもらえるように、WEリーグとともに、なでしこリーグも受け皿になれれば」(岩上氏)

 今回のWEリーグ発足は、課題をすべてクリアしたうえで出発するわけではない。女子サッカーがプロ化されるだけではなく、日本女子サッカー界全体の大改革だ。多額の投資を決断したJFA、高度な自立運営を目指す新リーグ及びチーム、そしてプロとして世界トップレベルのパフォーマンスを求められる選手たち。それぞれが覚悟を見せる時だ。

 日本女子サッカーは今、分岐点に立っている。WEリーグ開幕からの4年間は、飛躍あるのみ――。かつてない挑戦が今、始まろうとしている。

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