女子サッカー「WEリーグ」創設。プロ化を選ばないクラブへの影響は甚大 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 プロ化によって、なでしこリーグが大きなダメージを受けることは避けられず、スポンサーがWEリーグへ流れる可能性もある。

「それでもサポートしたいと言ってくださるスポンサーもありますが、当然、短期的には(なでしこリーグの)オペレーションを縮小していくことになるでしょう。この厳しくなる時期を日本サッカー協会(JFA)がしっかりとサポートしていくことが重要です」(岩上氏)

 岩上氏の言葉からは、プロ化が頓挫してきたこれまでとは異なるJFAの大きな覚悟が伺える。JFA副会長でもある岩上氏は、昨年4月なでしこリーグ理事長に就任。その際、「日本女子サッカー改革のために日本サッカー協会が本腰を入れるという意味で、私が就任することになった」と決意を語っている。

 当面、プロリーグ側は選手の環境やパフォーマンスの向上と、ブランディングや周知徹底、運営に注力することになるだろう。しかし、今回の改革全体のカギを握るのは、なでしこリーグ側なのではないだろうか。なぜなら、なでしこリーグがさまざまな選手にとって強固な受け皿として存在していなければ、WEリーグにも影響が出てくるからだ。つまり、女子サッカー選手になる道筋となりつつある土壌を維持、発展させることができるのは、なでしこリーグにほかならないということだ。

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