2020.06.03

「茨の道」が日本に自信をもたらした。
真っ向勝負でW杯出場権獲得

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 フランスW杯アジア最終予選は、それまでのセントラル方式からホーム&アウェー方式に変更して行なわれた。しかし、この第3代表決定戦だけは、日程上の都合により、中立国での一発勝負に。普通に考えれば、立ち上がりの10分、15分はお互いに相手の出方を見る慎重な入りをすると思われていた。しかも、ジョホールバルはマレーシアで最も赤道に近い最南端にある。蒸し暑さを考えれば当然のことだ。

 だが、試合は立ち上がりから攻め合いになった。試合開始早々、名波からパスを受けた相馬が左からアーリークロスを上げると、イランDFが戻りながらヘッドでクリアしたボールはイランゴールに吸い込まれた。オウンゴールかと思われたが、これはオフサンドでノーゴールに。6分にも山口の縦パスを北澤が落として中田がシュートを打つなど、日本ペースで始まった。

 最初にビックチャンスを迎えたのはイランだった。前半10分、右サイドでのマハダビキアとザリンチェフのパス交換から、最後はダエイがヘッドでゴール前に落とし、飛び込んできたアジジのシュートはわずかに左にそれる。