なぜ今、日本女子サッカーの新プロリーグ創設が決まったのか? (5ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

「その部分に関しては、研修などを徹底してやっていきます。プロリーグでの経験をしっかりと活用していかなければもったいない。そのためには、自己プロデュースや発信力も必要でしょう。貴重な選手人生を送ったあとに、社会価値ゼロからのスタートにはさせたくないし、そんなことになってはいけないと考えています。ここはしっかりとやって、選手も自信、確信を持てるようにならなければいけないと思っています」(今井氏)

 さらに、諸外国とのつながりが深い今井氏には、以前から抱いていた強い想いがある。

「かつて日本では、多くの海外代表選手がプレーしていました。しかし今は、そういった海外代表選手たちと日々戦いながら学んでいく機会がないんです。ヨーロッパの環境が整って、わざわざ日本にくる必要がなくなっているので、日本と海外の距離は本当に大きくなってしまっています。でも、私は日本女子サッカーの価値は本当に高いものだと思っています」(今井氏)

 実際、なでしこジャパンが2011年にワールドカップを獲って以降、アメリカやスウェーデン、スペインといった強豪国の監督や、選手たちの日本に対する興味は、それまで以上に高まっている。

「プロ化によって選手たちの魅力や価値を最大限に伸ばし、世界屈指の選手や指導者も行き来できるリーグにしたいですね。なでしこリーグの1部リーグをプロ化するのではなく、まったく新しいリーグを創設するに至ったのは、これがかつてないほど目標が高く意義のあるチャレンジだからです」(今井氏)

 日本女子サッカーのプロ化は、ほかに類のない日本スタイルで進もうとしている。この試みが成功するためには、選手、チーム、リーグ、協会の団結が不可欠だ。単に看板をつけ替えるだけではなく、従来の概念を打ち破っていかなければ道は続かないのだ。後編では、このWEリーグとともに、その新たなチャレンジに挑む、なでしこリーグに視点を据える。

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