2020.05.26

井原正巳はファルカン監督の下で痛感
「ゾーンディフェンスの難しさ」

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 続くカタール戦は中盤の構成をスクエアからダイヤモンドに変更し、流れはよくなった。だが、前半21分にまたしてもコーナーキックから決められて失点。後半に高木琢也が同点ゴールを決めて、この試合もなんとか1-1で終えた。

 日本は、2試合2引き分けで、勝ち点2だった。

「カウンターを結構喰らって、しかも2試合ともコーナーからやられてしまった。集中力とかの問題もあるけど、守備がちゃんと機能していなかったですね。あの当時、ゾーンディフェンスをしていたんですが、それって(当時世界最高峰の)ミランがやっていた戦術なんです。ファルカンからすれば日本人ができるのかって思っていたかもしれないけど、日本代表では初めてやったんです。

 最初はゾーンに入って来た選手をマークするという初歩的なことも難しかった。どうしても責任があいまいになってしまう。それに個の力があれば相手を跳ね返すこともできるけど、僕らはそれが足りないので、相手にパワーを持ってゾーンに走り込まれるとやられてしまう。実際、UAEにもカタールにもセットプレーでやられたわけじゃないですか。マンマークでやっていればと思うけど......。ゾーンディフェンスの難しさを感じましたね」

 ファルカンは、個々の能力の問題や大会までの時間的な制約もあり、組織的なゾーンディフェンスを完成させるのは難しいとわかっていたはずだ。それでもやろうとしたのは、理想のサッカーがそこにあったからだろう。しかし、最低限ゾーンで守る意識づけはしたものの、練習不足もあってそれはセットプレーの時ですらハマらなかった。