なでしこ、失点時の悪癖は直らず。
それでも岩渕真奈が流れを変えた

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 試合展開からすれば、2点ビハインドから1点を返しただけだが、杉田妃和(ひな/INAC神戸レオネッサ)がスイッチを入れた攻撃は、中島依美(INAC神戸レオネッサ)が中へ切り返し、すぐさま岩渕がゴールへ蹴り込んだ、テンポある、久しぶりの日本らしいゴールとなった。

 今大会2ゴールを挙げ、日本唯一のスコアラーである岩渕が「サイドにいても中に入ってきてくれるから本当にやりやすかった。サッカー感が似てる」と賞賛したのが、籾木結花(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)の動きだ。

 アメリカに入ってからも度々、高倉麻子監督から「仕掛けるのか、パスなのか判断できてボールが収まる選手」として評価が高かった籾木。アメリカ戦で前半は、菅澤優衣香(浦和レッドダイヤモンズ・レディース)とともにトップに入り、やや下がり気味のポジションでボールに関わる動きを見せていた。

 153cmはチーム最小。時には、アメリカのDF陣の陰にすっぽりと入り、その姿が消されてしまうこともあった。「小さいことを理由にいろんなことを諦めるんじゃなくて、それを活かして、より大きな選手に対しても仕掛けていったり、ゴールを奪いたい」と、籾木はアジリティを活かしたステップにも取り組んできた。アメリカ戦ではその信条どおりのプレーを見せていた。

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