なでしこジャパン、パスミスでまた負けた。
つなぐだけでいいのか?

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 ここで守り切れて初めて、土光と三宅のチャレンジが実を結ぶ踏ん張りどころだった。しかし、序盤からのアップダウンで疲労はピークに達していた。なんとかしのいでいたものの、三宅のパスミスからホワイトにゴールを献上してしまう。残り8分だった。

 試合終了後のピッチで、三宅は悔し涙を止めることができなかった。チームメイトたちが励ましの声をかけるが、おそらく耳には入っていない。初戦に続いて、自らのパスミスが失点につながってしまった。

「自分のミスで負けてしまったことが一番悔しいです......」(三宅)

 何より、三宅がこの試合で証明したかったのは「球際の部分で戦えているか。そこをしっかりやって、細かいラインコントロールをやればこれだけできるんだ」(三宅)ということを見せることだった。それをたった1本のミスパスで台無しにしてしまった。その痛みは察するに余りある。

 土光もまた、三宅と同じ痛みを感じているようだった。「自分たち(土光と三宅)は蹴らないでつなぐっていうのが持ち味なので......。難しいですけど、あのボールを蹴っていたら、よかったのかって話になるとそれも違うかなと思うんです」と表情を曇らせた。

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