なでしこジャパン、パスミスでまた負けた。つなぐだけでいいのか? (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 初戦でスペインには、サイド奥のスペースをロングボールで使われ放題だった。イングランドの左右両サイドはスペインと同等か、それ以上のスピードを持っている。背後を取られれば即アウトだ。

 そのリスクを承知のうえで、初戦よりさらに高い位置にラインを上げた。その結果、形勢逆転を許しそうなロングボールをことごとくオフサイドトラップで潰していくことができた。その数6回。真っ向勝負では逆を取られる場面もあっただけに、前半はとくに、このラインコントロールに助けられる場面が多かった。

「(裏に)蹴られたくないっていうのを考えたら、一番は引くこと。スペースを与えないのがいいと思うんですけど、それが攻撃につながるかって言ったら、ボールを取る位置も後ろになっちゃいますし、自分たちは前から行きたかった」と土光はライン設定の覚悟を語った。

 ただ、それが生きたのは、後半にイングランドが攻撃で本気のスイッチを入れるまでだった。

 前半のイングランドは、初戦アメリカ戦のベストメンバーから6名も入れ替えていた。そして、60分にカードを3枚切って日本のサイドを揺さぶると、残り20分になろうかというところで絶対的エース、エレン・トニ・ホワイトを投入して仕掛けてきた。

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