2020.01.17

橋岡大樹は言い訳ゼロ。敗因は不利な判定ではなく「僕たちの力不足」

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 過去2試合のように攻め上がってクロスを上げたり、シュートを打ったりするシーンは見られなかった。それは物足りなかったというよりも、ひとり少ないなかで自身に与えられたタスクを全うしたと言える。

「こっちのサイドはあまり出て行く機会がなかったです。戦術的にも、まずはしっかり守備をしてほしいと言われていました。相手が前に残っていたこともあったので」

 身上の守備面に注文をつけるとするならば、55分にクロスを上げられた際と、相手の同点のPKにつながるシーンか。前者ではクロスにつながるパスを出した相手にもっと寄せたかったし、後者では相手の軽やかなドリブルにボックス内でかわされてしまった。そこは本人も自覚しているようで、「得意な守備面ももっと高めて、こいつなら絶対に任せられると思ってもらえるようになりたいです」と話した。

 ただし橋岡は昨年、浦和レッズの一員としてAFCチャンピオンズリーグを決勝まで戦い、リーグ戦でも負傷離脱期間を除いてフル稼働。12月にはE-1選手権にも参戦している。見る人が見れば、そうした過密日程や移動によって、コンディションが厳しそうだったと思われても仕方がない。実際、そうした質問をぶつけられると、シャープなアスリートは次のように返答した。

「それで済ませられれば、僕たちは簡単に逃げることができる。僕たちはここに戦いに来ているわけで、そんな言い訳をしても誰も認めてくれないと思います。だからそんな言い訳はしたくない。そんなことよりも、全員が個人のスキルを磨き、チームとしての団結をもっともっと高めていくべきだと思います」

 そうした意識の高い言動も、彼の長所だ。この代表では最も年上の世代から数えて4学年下となるが、チームを盛り立てようと声を出したり、手を叩いたりする姿は頻繁に見られた。この日キャプテンマークを巻いた杉岡大暉や後半から出場して熱を感じさせた齊藤未月、そして橋岡といった1998年と1999年組の世代に、リーダーとしての自覚――あるいはどうにかして状況を改善しようとする心意気――が垣間見える。少なくともこの大会に参戦したチームのなかでは。

 明らかに不当な判定がふたつもあったが、「それもこれもサッカー」だと橋岡は言った。敗北を招いたのは、コンディション不足でも不利なジャッジでもなく、「僕たちの力不足」だと言い切る。