2020.01.16

信じがたい惨敗を喫したU-23日本代表に、
微かに見えたふたつの「光」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 また、杉岡にしても、「ボールを回していても、その精度が低かったり、ゆっくり回しているだけになったりする部分はあった」と言い、攻撃のスイッチを入れるべく「スピードアップ」を課題に挙げた。

 だが、「毎回メンバーも違い、それぞれの特長もあるので難しいが、そこは選手間でやるしかない。その特長に合わせてコンビネーションというか、関係性を作らなきゃいけない」(杉岡)というなかで、今回のチームはふたりの田中を媒介にして、かなり安定的にボールを縦方向へ動かせるようになっていた。

 堂安律(PSV)や久保建英(マジョルカ)といった海外組が、いかに個人能力において優れているとはいえ、彼らが加わったとして、即座にチームとしての力に変換されるわけでない。そのことは、すでに昨年11月のコロンビア戦で証明されている。だからこそ、彼らを取り込みやすくするためにも、チームの土台を固めておくことが必要だ。

 いかに3-4-2-1の「2」に、いい形でボールを入れられるかは、森保流の(というより、ミハイロ・ペトロヴィッチ流の、というべきか)3バックにおいて、重要なカギとなる。

 2シャドーにボールを入れ、相手DFを食いつかせることで、3人目、4人目のアクションでDFラインの背後やサイドのスペースも突きやすくなる。現状、最終的な崩しのアイデアに乏しいのはたしかだが、言い換えれば、その前段階でのパスルートは、かなり確立されてきたということでもある。

 ふたりの田中が、そこで果たした役割は大きい。歴史的惨敗という暗闇で、わずかに見えた光である。

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