2020.01.07

混沌のサッカー五輪代表レース。
ポジション別「序列」を読み解く

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 今季のJ1優勝メンバーである遠藤は、実力的にはこの中で上位にランクされるが、WBより、所属の横浜FMでプレーするウイングの方が適しているように見えるというポジション的な問題を抱えている。菅も両サイド可能な選手。相馬や遠藤のような切れ味はないが、縦の広いエリアをカバーするまさにWB的な能力に優れている。

 杉岡も菅に近いタイプ。しかしドリブルでボールを運ぶ力は菅以上だ。唯一のネックは左しかできない左利きだという点。18人枠を考えると、それが不利に働く可能性はなきにしもあらず、だ。橋岡にはCBをもこなす多機能性がある。一方、菅原は多機能性に加え、所属しているクラブの優位性が際立つ。オランダリーグで現在2位を行くAZで、かなり出場機会を得ている。注目株だ。

 守備的MFの軸になるのは海外組の2人、板倉滉と中山雄太だ。それに対して、ここにきて評価を上げているのが田中駿汰(大阪体育大学/札幌)。コロンビア戦、E-1選手権、U-23選手権と連続して招集されている。E-1選手権では香港戦(先発)と韓国戦(交代出場)に出場。香港戦ではCBで先発した。後半の途中に行なわれた戦術的交代では、守備的MFに回る多機能性も発揮した。

 その田中駿汰とE-1選手権で競った関係にあったのが田中碧。活躍したとは言えなかったが、底が割れたという感じでもなく、むしろ伸びしろを感じさせるプレーだった。伸び盛りの選手であることは間違いない。

 この2人を、松本、齊藤が追う。

 2シャドーは、事が無難に進めば(所属クラブが出場を許諾すれば)久保、堂安が有力だ。しかし2人とも利き足は左だ。本来ならそのどちらかのポジションは右利きにしたい。有力なのは、ジャマイカ戦で最も余裕のあるプレーを見せていた安部(バルサ所属なのでこちらもなんとも言えないが)だ。弱冠20歳ながら、全軍を引っ張るカリスマ性を兼ね備える。

 また、スコットランドでプレーする小柄な食野亮太郎(ハーツ)も面白い存在だ。ストライカータイプなのでCF候補でもあるが、身長(171cm)を考えると3-4-2-1の中ではシャドーでプレーさせたくなる。