2019.12.26

久保建英だけじゃない。福田正博が多士済々の東京五輪世代の現状を分析

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLOSPORT

 彼らは所属クラブでいい経験を積んでいるとはいえ、まだまだ物足りなさもある。堂安と久保が加わったとしても、いまのままなら東京五輪でのメダル獲得は厳しいだろう。メダル獲得を本気で望むのならば、オーバーエイジ枠の活用を視野に入れる必要がある。

 また、コロンビア戦は3バックで臨んだが、世界と戦ううえで『高さ』は必要とはいえ、『高さ』だけで守備は安定しないことを痛感させられた。191cmの立田悠悟の高さは魅力的ではあるものの、現状ではやや苦しい。東京五輪世代ながら、昨年からA代表の主軸に定着している冨安健洋(ボローニャ)の力は不可欠だろう。冨安と板倉、そしてオーバーエイジの選手で組めば、安定感も生まれるはずだ。
 
 攻撃に関しては、1トップに大迫勇也(ブレーメン)の力が欲しいところだ。世界基準のDFを背負ってもボールをキープしてタメをつくれる日本人FWは、現時点でほかに見当たらない。彼のポストプレーがあれば、堂安と久保の個人技や判断力の速さ、コンビネーションが、さらに輝くのは間違いない。また、大迫のポストプレーがあることで、守備時にゴール前で跳ね返すだけではなく、クリアしたボールを拾って攻撃への切り替えがスムーズになる。
 
 チームをつくるときに重要なのが、センターラインがしっかりしていること。そのため、FWとCB、中盤にオーバーエイジを1枚置きたい。コロンビア戦はこのポジションの出来が違えば、もっといい形で攻撃をつくることができていたはずだ。この試合のボランチは中山と大学生の田中駿太(大体大、来季から札幌)がつとめたが、攻撃に移行するときに彼らのポジショニングが低すぎたり、最前線の選手が裏へ抜け出すだけだったりで、シフトチェンジがうまくいかなかった。

 こうした戦況判断に優れている柴崎岳(デポルティーボ・ラ・コルーニャ)をオーバーエイジで起用する手もあるのではないか。堂安や久保の怖さはゴールに近いエリアでボールを持ってこそ。低い位置からでも長短のパスを繰り出せる柴崎と、Jリーグで存在感を高め、ブラジル遠征でゴールを決めた田中碧(川崎)の組み合わせは、見てみたいところだ。

 中盤の攻撃的なポジションは、中村敬斗(トゥベンテ/オランダ)も含めて東京五輪世代の最もハイレベルな選手が揃っている。堂安、久保、三好、安倍、食野、前田、中村が、所属クラブでのリーグ戦終了までに、どれだけ成長するかで、東京五輪でのメダルの色が変わると言ってもいいほどだ。