2019.12.20

日韓戦で3バックのメリット見えず。
選手は四苦八苦、戸惑っていた

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「ウイングバックを(高い位置に)出して、自分たちから(前からのプレスを)ハメにいく作業が少し足りず、やってはいたが、相手の作業のほうがうまかった。(攻撃でも、相手とのミスマッチによって)空いているシャドーを使える場面を増やし、どこからペナルティーエリアの進入を狙うのか。シャドーがニアゾーンを取ってクロスを入れるとか、そういう形を増やさないと、3-4-3をやっている意味がない」

 例えば、森保監督が率いていた当時のサンフレッチェ広島。前任のミハイロ・ペトロヴィッチ監督が土台を築き、森保監督が調整を加えた3-4-2-1は、攻撃時には実質4-3-3の陣形にシフトし、じっくりとボールを動かしながら、相手の陣形を広げることで生み出したスペースへ的確にパスを通す。ゾーンディフェンスの隙間でフリーになったシャドーがパスを受け、相手が中央を固めようと動けば、今度はボールをサイドに展開する。3バックの左右DFが実質サイドバックとなり、積極的に加わる攻撃には、厚みもあった。

 ところが、今の日本代表を見ていると、チームとして共有する狙いや、そこから生まれる連動性はほとんど見られない。むしろ、ピッチ上の選手たちは、慣れないフォーメーションに四苦八苦し、戸惑いながらプレーしているようにさえ見えてしまう。前述したふたつの気になった点も、結局はここに要因があるのかもしれない。

 せっかく前を向ける場面で前を向かなかったり、縦パスを通せる場面でもバックパスしてしまったり、その一方で、通りそうもないワンタッチパスを決め打ちで出したりと、きれいに連係することを意識するあまり、局面ごとの的確な判断ができていないシーンが目についた。

 今季J1でMVPに選ばれたMF仲川輝人(横浜F・マリノス)にしても、彼が優れたウインガーであり、ドリブラーであるのは疑いようがない。だが、残念ながら、彼の特長を生かすポジションが、今の日本代表にはないのだ。