2019.12.13

いいデータは見られず。
森保ジャパン、課題多き中国戦勝利

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

「連係、連動」とは、森保監督がよく口にするフレーズだが、縦パスからシャドーを経由してフィニッシュに持ち込む攻撃は、まさに3-4-2-1を採用する狙いのひとつ。そういう意味で、指揮官の狙いどおりのゴールだったと言える。

 残念なのはその回数が少なすぎたことだ。ゴールシーン以外で、前半で連動した攻撃の形をつくれたのはスローインから始まった15分のシーンのみ。上田、森島、遠藤とつないだあと、遠藤が左からクロスを入れるも、クリアされている。

 その点も含めて、前半の日本の攻撃は、機能したとは言い難い。実際、前半で日本が記録した縦パスは13本のみ。最も多く縦パスを使ったのは佐々木(5本)で、ダブルボランチの橋本(3本)と井手口(2本)を上回っていた。また、前半のクロスボールも4本だけで、左の遠藤が3本を記録。右の橋岡は0本に終わっている。

 日本が1点リードした状態で迎えた後半は、中国の戦い方が変化。最終ラインからのビルドアップ時にダブルボランチの1人が最終ラインに落ちることで、上田のファーストディフェンスを回避し、両サイドバックが高い位置をとれた。それにより、日本は遠藤と橋岡が押し込まれ、後半序盤から5バックになる時間が増加した。

 そのなかで、日本はこの試合初めてのピンチを迎える。後半8分、中国の右サイドバック(15番)が角度のない位置から放った強烈なシュートが、バーを直撃したシーンだ。

 このシーンの問題は、まずシュートの前に10番がゴール前の9番に入れた浮き球のパスに対する佐々木の対応と、三浦、畠中、橋岡、遠藤の4人の動きがずれていたことがひとつ。佐々木ひとりが9番をマークすべくラインブレイクして下がってしまい、オフサイドを取り損ねてしまった。

 さらに遡ると、前線の守備における問題が浮上する。そもそもこのシーンは、上田がファールしたあとに中国がクイックリスタートしたところから始まったもの。中国が4人でビルドアップを始めるなか、上田だけがチェイスを始めるも、2シャドーの鈴木と森島以下は連動せずにリトリート。それにより、中国の17番は余裕を持ってルックアップし、左のハーフスペースにいた7番へのミドルパスがあっさり通り、ゴール前へのフィードにつながっている。