2019.12.13

いいデータは見られず。
森保ジャパン、課題多き中国戦勝利

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 前半4分、敵陣左サイドで囲い込んで、相手がボールをタッチに出してしまったシーンがその典型で、6分には敵陣右サイドで同じようにして橋岡がボール奪取に成功している。これが継続できれば敵陣でゲームを進めることができるため、5バック状態になりやすい3バックシステムも、守備的な形にはならない。

 しかし、それは長く続かなかった。佐々木のファールによって与えた中国のFK(前半7分)を境に、日本は5バック状態、つまり両ウイングバックが下がり、1トップが前線で孤立する5-4-1の守備的陣形になる時間が続いた。中国が前線にロングボールを蹴ったり、アタッカーが日本の最終ラインの背後を狙う動きが増えたことが影響した格好だ。

 公式記録の立ち上がり15分間のボール支配率は、中国が69.47%で日本は30.53%。中国が決定機をつくったわけではなかったが、中国ペースの時間帯だった。

 その後、前線からのプレスが効果を示したシーンは前半41分。日本のボールロスト後、3バック以外の7人が連動して敵陣左サイドでボールホルダーを囲むと、それをワンツーで剥がそうとした中国が最終的にタッチに出してしまった。また、その直後の42分に畠中が高い位置でインターセプトしたシーンも、同じ類の守備方法だった。

 前からプレスをかけるのか、それとも5バックを受け入れて下がって守るのか。前半の日本の守備を見ていると、相手の出方によって使い分けを行なっている印象もある。サンフレッチェ広島時代の森保監督のサッカーでは、相手ボール時はあっさり5バックを受け入れて守っていたことを考えると、当時との変化もうかがえた。

 こうなると、問題は対戦相手のレベルが上がった場合だ。どちらをベースにするのかはっきりさせないと、同格か格上相手だと5バック状態の時間が長くなる。今大会をこの状態で戦い続けた場合、おそらく香港戦では攻撃的に見え、韓国戦で守備的に見える可能性は高い。

 一方、攻撃面で3-4‐2-1のよさが出たのが、29分のゴールシーンだった。左サイドの高い位置に上がった佐々木が森島とパス交換をしたあとに上田に縦パスを入れると、上田が森島につなげる。受けた森島が抜群のタイミングで入れたクロスをゴール前に走り込んだ鈴木が決めたシーンである。