2019.11.22

森保ジャパンの歯車が狂い始めた。
データが示すベネズエラ戦の失敗

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 この試合で日本が許した4失点が、いずれも相手のサイド攻撃によって崩されたことがそれを証明している。

 とりわけ33分のベネズエラの3点目は、相手がワンタッチを多用しながら12本のパスをつなぎ、右から左へと展開。左サイドバックの16番(ロベルト・ロサレス)が余裕を持って入れたクロスを6番(ジャンヘル・エレラ)が頭で折り返し、23番(サロモン・ロンドン)がネットを揺らすという見事なゴールだった。

 同時に、4-2-2-2の問題は攻撃面でも露呈した。

「攻撃ではビルドアップの部分とシュートまでつなげる部分で、パスの連係、連動やクオリティの部分が少し足りず、相手につけ込まれた」

 試合後に森保監督が振り返ったとおり、前半の日本はいつものようなCBからボランチを経由するビルドアップもできなければ、中央へくさびを打ってから前線が連動する攻撃もなく、さらに両サイドからのクロスも入らなかった。

 たとえば、柴崎が記録した前半の縦パスは4本。しかし最終ラインが下がって相手に押し込まれる時間帯が長かったこともあり、敵陣での縦パスはわずかに2本(うち成功1本)だけだった。時間帯的にも2失点目を喫した30分以降は1本のみで、その鈴木へのパスも失敗に終わっている。ちなみに橋本は6本のうち敵陣で4本を記録したが、2失点目の30分以降は0本だった。

 それ以外も含めて、前半で日本が記録した敵陣での中央への縦パスはわずかに8本。そのうち、30分以降に記録した縦パスは柴崎の1本のみに終わっている。

 その現象を裏付けているのが、時間帯別のボール保持率だ。前半開始から15分までの日本の保持率は52.9%あったが、15分から30分までは48%、30分から前半終了までは41.5%に低下。この数字の推移は、30分、33分、38分と立て続けにベネズエラがゴールを重ねた時間帯と見事に一致する。森保ジャパンのバロメーターが縦パスの本数やボール保持率にあることを、あらためて証明した格好だ。

 さらに顕著だったのが、サイドからのクロスボールの本数だ。4-2-2-2的な陣形となってサイドで劣勢を強いられたことにより、前半で日本が記録したクロスは1本のみ。20分に室屋が入れたそのクロスも、中央の鈴木の頭には合わなかった。