2019.11.21

スペインの慧眼が森保Jの大敗を
論理的に分析「戦術が後手に回った」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 日本は38分にも失点した。これも端緒は自陣でのつなぎに苦しんだことだった。柴崎岳が前に出ようとしたところを激しい守備で奪われた。日本は後ろに人数は余っていたが、やはり人につけず、崩しを許してしまった」

 エチャリはそう言って、簡潔に試合を分析した。プロの世界で50年以上生きてきたエチャリは、冷静に、あくまでこれをひとつの強化試合として位置付けながら、こう続けている。

「後半になって、日本は布陣を4-2-3-1に変えた。中島をトップ下に置いて、前からプレスをかけるようになった。これで、ベネズエラはボールを下げざるを得ず、結果的に長いボールを蹴る機会が増えた。この点は、評価すべきだろう。

 私がベネズエラと戦ったときもそうだった。彼らは前に出てくる力は強いが、前に出られると、対応できないところがある。我々はスカウティングで彼らのプレーを研究し、分析していた。

 日本も、戦術的改善をもっと早く行なえていたらベターだった。ただ、改善した後半の戦い方は悪くはない。たとえば右サイドバックの室屋成(FC東京)が積極的に攻め上がり、いくつか際どいクロスを折り返していた。

 中島については、”ファウルでしか止められない”という雰囲気があった。実際、一番ひどいファウルを受けていた。チームとして戦術的に対等に立ち、もしくは優位に立ったら、そのプレーは生きるはずだ」

 そしてエチャリは肯定的にこう締めくくっている。

「日本のファンはすばらしかった。10分足らずの間に3失点という厳しい状況だったにもかかわらず、最後まで攻める姿勢を見せた日本代表の戦いを、みんなで後押ししていた。次の試合に期待したい」


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