2019.11.21

スペインの慧眼が森保Jの大敗を
論理的に分析「戦術が後手に回った」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 日本も守備では集中していただろう。事実、何度かつつき返し、ボールを奪回している。ただ、戦術的に相手のほうがいいポジションを取っていることで、再び奪われ、カウンターを受けてしまう。ベネズエラのディフェンスが反則ギリギリだったこともあるのだが(主審はもっと厳しく笛を吹くべきだった)、激しい守備とカウンターによって、日本はラインが下がり、ディフェンスラインに人が余ってしまい、その前で楽にボールを持たれてしまった。

 そして8分、日本は左サイドからクロスを上げられた後、右でも拾われる。エリア内で1対1になると、ジェフェルソン・ソテルドに左足のクロスを許し、ファーポストでサロモン・ロンドンにヘディングで叩き込まれた。このとき、エリア内には7人も日本の選手がいたが、『エリア内では人が人につく』という原則を守れていない。日本は戦術的に後手に回っていたことで腰が引け、必然の失点だった」

 エチャリは論理的に失点を説明した。戦術的な不具合を解消できなかったことで、その後も日本は失点を重ねている。

「日本は先制された後、中島翔哉(ポルト)を中心に反撃を試みた。中島のプレーはベネズエラに怖さを与えていただろう。その証拠に、彼はかなりラフなディフェンスを浴びていた。それでも、ひるまなかった。パスカットから際どいミドルシュート。その流れでCKのキックを、佐々木翔(サンフレッチェ広島)の頭に合わせている。

 しかし、戦術的に状況が優位にあるベネズエラは、強度の高いプレーで再び挽回する。「スペースを作り、使う」という点でアドバンテージを作っていた。ひとりひとりがボールを奪い返し、キープするという強度も高かった。

 日本は攻められながら何度か奪い返すが、相手のプレスを受ける形で厳しい状態が続く。そして30分、混戦の中、植田直通(セルクル・ブルージュ)の中央への軽率なパスを自陣で奪われてしまう。相手にボールを運ばれた後、左サイドを完全に崩され、再びロンドンにクロスを合わされた。

 これでベネズエラが勢いづいた。33分、左サイドアタッカーのようにプレーしていたロサレスが右足で上げたクロスを、ファーポストでジャンヘル・エレラが競り合いに勝ち、折り返しを再びロンドンが決めている。局面の単純な高さで勝利したわけだが、そのベースは繰り返すが、戦術的優位性にあった。