2019.11.21

U-22代表を上回る酷い試合で、
後半の反撃を称える森保監督にあ然

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 あえてつけ加えるなら、敵地に乗り込んでの親善試合で前半のうちに4-0になれば、言い方は悪いが、後半は攻め手を緩めるのが”招待されたものの礼儀”と言ってもいいだろう。

「勝ちにこだわる」と言っていた森保監督だが... だからこそ、試合後の森保一監督のコメントが気になった。

「前半の結果を受け、後半は心が折れて、集中力が切れるかもしれないなか、選手は顔を上げて、気持ちを奮い立たせてプレーすることを示してくれた」

 繰り返しになるが、すでに前半で勝負は決していたのである。

 後半に試合をひっくり返したというのならともかく、1点を返すのが精いっぱい。そんな試合のあとに、「(後半に)こちらのギアが上がらなければ、もっと点差を広げられていたかもしれない」などと言われても、聞いているほうが恥ずかしくなる。

 そもそも森保監督は、U-22の試合も含め、11月の”3連戦”を「すべて勝つつもりでメンバーを編成した」と言っているように、従来から、それが親善試合であろうと、「勝ちにこだわる」ことを強調し、すべての試合に臨んできた。事実、就任以来、ほとんどの試合で主力メンバーを固定して戦ってきている。その是非はともかく、それが森保監督の姿勢だった。

 だが、本当に勝ちにこだわっているならば、前半にして試合を壊した戦いぶりについて、もっと厳しい言葉が聞きたかった。これでは、よほど10代の選手たちのほうが、世界と戦ううえでの厳しさを要求されていると言われても仕方がない。

 リードされながら、よく立ち直った。終盤はよく盛り返した。それらは、ひとつの見方ではあるだろう。

 しかしながら、世界との真剣勝負では、先に2点も3点も与えてしまった時点で、実質ゲームオーバー。U-17ワールドカップで悔しい敗戦を味わったふたりの監督は、そのことをよく理解している。だからこそ、選手たちに対する要求も、自然と過酷なものになっていく。

 本来、そのお手本となるべきA代表が、遅きに失した反撃を、収穫ととらえているようでは寂しすぎる。

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