2019.11.18

スペインの戦術家はキルギス戦に苦言
「ボールを失う機会が多すぎる」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AP/AFLO

 むしろ、日本はキルギスの攻撃を受ける形が増えていった。前半32分には、中盤での攻防で敗れ、右サイドを突破され、折り返されたクロスをエリア内で合わされている。権田が防いだものの、失点してもおかしくなかった」

 エチャリはプレー内容に苦言を呈しつつ、勝因についても触れた。

「日本の攻撃は、ほとんど南野を経由していた。前半開始直後も、最終ラインと中盤の間でパスを受け、縦パスで決定機を演出。右サイドに流れ、数少ないコンビネーションも生み出していた。そして前半40分、裏にボールを呼び込み、GKと1対1に。巧妙に足を引っかけさせ、PKを奪った。それを自ら蹴りこみ、先制に成功している。

 リードしたことで、後半はいくらか優勢に立った。53分、相手を押し込んで得たFKを原口元気(ハノーファー)が右足で狙い、GKの逆を突く形になって追加点を得た。

 0-2として日本のペースになるかと思われたが、徐々にペースを奪われてしまう。ボールを失う回数が多いことへの不安か、じりじりと受けに回った。サイドでボールを持ち運べず、盛り返すことができない。

 森保一監督は中島翔哉(ポルト)を投入することによって、ポゼッションを高め、ボールを動かしたかったのだろう。コンビネーションは見られたが、流れを変えるまでには至っていない。結局、守りを固めるような形になってしまい、苦しい試合になってしまった」

 好意的な表現を選ぶことの多いエチャリにしては、厳しい評価と言える。日本は0-2と敵地で勝利したが、課題が出た一戦だった。

「日本はいつものように、”サイドで幅を作りながら、中央で深みを作る”というコンビネーションプレーが乏しかった。その前段階でボールを失う機会が多かったからだろう。中盤では、柴崎岳(デポルティーボ・ラ・コルーニャ)、遠藤航(シュツットガルト)のボランチ2人が劣勢でボールを前につなげられず、五分五分になったボールにも競り負けていた。そのせいで、高い位置を取って攻撃コンビネーションを作るはずのサイドバックも、後手に回ってしまったのだ」