2019.11.17

森保Jに停滞感。キルギス戦では
アジア杯決勝と同じミスを繰り返した

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by KYODO

 また、サイド攻撃が機能しなかったことも苦戦に拍車をかけた。森保ジャパンのサイド攻撃は、1トップやトップ下、あるいは両ウイングが中間ポジション(※サイドと中央の間や、相手DFラインとMFラインの間など)をとって縦パスを受けてから、攻め上がってきたSBにパスを渡してクロスを入れるパターンが特徴だ。

 しかし前線4人になかなかボールが収まらない状況では、酒井や長友が攻め上がるタイミングはなく、とりわけ長友に至っては、対峙する6番の対応に追われて攻撃まで手が回らないという状況が続いていた。

 日本が前半に記録したクロスは6本のみ。そのうち、伊東のクロスをゴール前で南野が頭で合わせた決定機(前半14分)、酒井のクロスを原口と重なりながら永井がかろうじて頭に当てたシーン(34分)、左から南野が入れたマイナスのクロスをニアで受けた伊東がシュートを狙ったシーン(前半アディショナルタイム2分)と、6本のうち3本をフィニッシュにつなげたことは日本のクオリティを示すものだと言える。

 とはいえ、縦パスもクロスも少なすぎた。その状態で攻撃が機能するはずもなく、残念ながらその流れは後半になっても変わらなかった。

 後半に敵陣で記録した縦パスは8本(うち6本が成功)。柴崎は2本あったが、78分に退いた遠藤は0本、代わって入った山口蛍は1本と、後半になってもボランチが攻撃の起点になることはできなかった。

 クロス本数についても同じような状況で、後半は前半よりも少し増えて9本を記録(うち3本成功)。前半は0本だった長友が67分、79分と2本を記録したことが少ない変化のひとつだったが、ミャンマー戦やモンゴル戦と比べると大幅に減少。苦戦を強いられた先月のタジキスタン戦と大差はなかった。

 もうひとつ、日本が苦戦を強いられた原因は守備面にもあった。前線からの守備が機能したキルギスとは対照的に、日本は前からの守備がはまらなかった。

 相手の3バックがボールを持った時、ワンボランチの9番(エドガー・ベルンハルト)が顔を出してパスをもらいにくることで、南野がポジショニングに迷い、その影響で前線の守備が連動できなかった。アジアカップ決勝のカタール戦と同じ現象である。