2019.11.10

U-17W杯、「優しくないパス」に感じた
着実な育成・強化の成果

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 また、選手の大型化も、着実に進んでいると感じられた要素のひとつである。

 たしかに日本の登録メンバー21名を見ると、身長160cm台の選手が5名、150cm台が1名と、全体的に見れば、小柄な選手は多い。

 だが、できればサイズがほしいポジション、すなわち、センターバックには180cm台で、しかも、足元の技術にも長けた選手が並んでいた。

 全4試合に先発フル出場したDF鈴木海音は、身長182cmでありながら、俊敏でスピード対応にも優れているうえ、攻撃の組み立て時には自らボールを持ち出し、正確なフィードを武器にする。高い位置にポジションを取ったサイドバックへ出す、角度のついたパスは、Jリーグでもそうはお目にかかれないほど難易度の高いものだった。

 身長183cmのDF村上陽介にしても、このチームでは”空中戦のスペシャリスト”といった位置づけの選手だったが、そんな選手でも、このレベルで見ても鈍重な印象は受けなかった。

 かつては、この年代でセンターバックを選ぶとなると、どうしても170cm台の選手に頼らざるを得なかった。日本人選手、まして身体的に成長途上の選手では、180cmを超えると、どうしても俊敏性やボール扱いの技術に欠ける場合が多かったからだ。

 しかし、鈴木海や村上を見ていると、間違いなく状況は変わってきている。そんなことを感じることができた。

 ただし、いかに大型化が進もうとも、日本が世界で戦っていくためには、やはり日本の特長を武器にした戦いは不可欠だ。

「相手と同じ土俵で(戦って)負けるな、という気持ちを持ちつつも、同じ土俵に上がったらやられる、というのは、ここに来て体験しないとわからない」

 U-17日本代表を率いる森山佳郎監督は大会中、そんな表現をしていたが、まさにそのとおりだろう。パワーやスピードという部分で、できるだけ負けたくはないが、そこで勝負してもかなわない。「フィジカルが敗因という試合をしなくていいように」(森山監督)、やはりチーム、あるいはグループで組織的に戦うことが求められる。