2019.11.07

U-17日本代表、試合前の豪雨に泣く
「全員の気持ちが左右された」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 今大会2ゴールのFW若月大和は、「アップのときの雰囲気はよかったが、試合前の天候に、全員の気持ちが左右されてしまった」と言い、こう語る。

「前半からかなりミスが目立って、いつものようなパス回しや、相手を揺さぶることができていなかった。一人ひとりは、もっとこうしたいっていう気持ちがあったと思うが、それがかみ合っていなかった」

 そして、若月は目を潤ませながら、ストライカーとしての自責の念を口にした。

「いつもみたいなサッカーはできないってわかっていたなかで、それでも自分たちで声をかけて修正することができなかった。失点はあって当たり前だと思うし、今大会はディフェンスが無失点でずっとやってきてくれて、今度は前(の選手)が点を取って盛り上げなきゃいけないところで、自分のところに何本もチャンスが回ってきたのに決められなかった。そこは、今大会で一番の課題であり、悔いが残る」

 このチームは、FW久保建英らを擁した2年目のU-17日本代表に比べ、選手個々を見れば、決して能力の高いタレントがそろっていたわけではない。だからこそ、チームとして戦うことが重要であり、そこを追求してきた結果がグループリーグでの好成績だった。

 だが、裏を返せば、チームとしての機能性が低下したとき、それに代わる武器を持ち合わせていなかった、ということでもある。森山監督も、「ある程度ボールを持てるチームではあったが、最後の圧力をもうちょっと(かけられるタレントがいれば)……」と話し、顔をしかめるとおりだ。

 チームの歯車ががっちりとかみ合い、やることなすことうまくいったのが、3-0で勝利した大会初戦のオランダ戦だとすれば、このメキシコ戦は、ちょっとした緩みから、わずかにズレた歯車が、最後までかみ合うことがなかった試合、ということになるのだろう。

 もちろん、想定外の悪天候は、両チームにとって同じ条件である。日本だけが不利を被ったわけではない。突然のアクシデントがなかったとして、勝敗が入れ替わっていた保証もない。

 しかし、だとしても、グループリーグではあれほど気持ちの入ったプレーを続けた選手たちが、不可解なまでに集中力を欠き、多くのイージーミスを犯す様子を見せられてしまうと、試合直前の天候激変がうらめしい。

 何とも悔いが残る負け方だった。

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