2019.11.07

U-17日本代表、試合前の豪雨に泣く
「全員の気持ちが左右された」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

 試合が行なわれたブラジリアはこの日、日差しが非常に強く、30度を超える暑さに見舞われていた。試合は16時30分キックオフと、まだ暑さが残る時間に行なわれるとあって、FIFAも試合途中にクーリングブレイク(飲水のための試合中断)を設ける可能性があることを、両チームに伝えていたほどである。

 ところが、試合直前、選手入場の音楽が場内に流れ始めた頃、スタジアムの上空に立ち込めた暗い雲から、突如、バケツをひっくり返したような激しい雨が降り始めた。

 豪雨、雷鳴、強風。瞬く間にピッチ上は、視界がかすむほどの荒天に見舞われた。

 それでも、日本の選手たちに動揺はなかった(ように見えた)。試合前の集合写真を撮るときには、全身びしょぬれの状態を笑い飛ばす余裕すらあった。試合直前とは思えないほど、誰もがいつも以上の笑顔で写真に納まっていた。

初の4強入りが期待されたチームだったが... しかし、結果が出た今にして思えば、このアクシデントが、選手たちのいい意味での緊張感を奪い、集中力を欠如させることにつながったのかもしれない。森山監督も「ウォーミングアップの時は、そんなに変わった様子はなかったが、試合直前に豪雨があったりしたことで、普段と違う感じになってしまった」と振り返る。

 半田に代わり、ゲームキャプテンを務めたDF鈴木海音が語る。

「試合の入りは、自分たちが全然集中し切れていなくて、(ピンチでは)彩艶が全部救ってくれた。そこで失点せず、自分たちの時間を作れて、チャンスを作れるようになったが、ゴールへ向かう迫力が足りなかった。自分たちは(チャンスに)決め切れなくて、相手に少ないチャンスを決められたのは守備陣の責任だと思うし、集中し切れてなかった部分もあるので、悔いの残る2失点になってしまった」

 もちろん、ディフェンス陣だけを責めることはできない。

「ラスト20分で、ゴールへ向かう勇気が出てきた。そこから決定機が3、4度あったので、一個でも入れていれば勢いを増していけたと思うが、残念ながらそうはならなかった」

 森山監督がそう言っていたように、攻撃陣もまた、リズムに乗れないチームを救うことはできなかった。