タジキスタン戦で森保ジャパンは戦術の積み上げがあったのか? (5ページ目)

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AP/AFLO

 そもそも、格下相手の戦いが続くアジア2次予選で、森保監督がベストメンバーを編成して戦い続けることの意味は、「積み上げ」によるチーム強化であるはず。そこにチーム戦術のブラッシュアップや新しいオプションの発見がなければ、ベストメンバーで戦い続けることの意味も薄れてしまう。

 しかし、戦術はブラッシュアップされるどころか、劣化し始めていることが、このタジキスタンで露呈しまった。1トップでテストした鎌田も、主導権が握れずに終わった前半はゲームから消えてしまい、後半からトップ下でプレーすることで息を吹き返している。つまり、大迫不在時の攻撃オプションについても、この試合で発見することができずに終わったわけだ。

 結局、10月の2連戦でも勝ち点6を積み上げたこと以外に収穫を得られなかった森保ジャパン。チームとしての積み上げがないのであれば、少なくとも吉田麻也、酒井、長友といった計算のできる戦力を、敢えてアジア2次予選で使い続ける意味はないだろう。わざわざ多くの選手にヨーロッパからの長距離移動を強いて得た収穫としては、アジア2次予選で勝ち点6を得ただけでは乏しすぎる。

 11月のインターナショナルマッチウィークで、指揮官はどのような選手を招集するのか。今回以上に、次回の日本代表メンバー発表には注目が集まりそうだ。

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