スペインの知将が日本代表4人を称賛。南野拓実の輝きぶりに感嘆した (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Fujita Masato

 しかし、欧州でプレーを積んだことによるものか、前線で周りを生かし、自分も生かされる選手に成長した。

 タジキスタン戦では、鎌田と呼吸のあったところを見せている。後半、南野がトップ、鎌田がトップ下の位置を取ると、流れるようなパスが増えた。ポストワークでボールを受ける動きは出色。なにより、ストライカーの嗅覚を感じさせた。1点目はファーポストでマークを外してのヘディング、2点目はグラウンダーのクロスに飛び込みながら、コースだけ変えて流し込んだ。

トップとしても質の高いプレーができることを示したと言えるだろう。鎌田との関係は今後のオプションになりそうだ」

■鎌田大地(フランクフルト)

「モンゴル戦で代表初得点を記録。主力選手たちと比較しても、遜色のないプレーを見せた。ボールプレーに強固な自信があるのだろう。

 タジキスタン戦はトップで先発出場した。前半はうまくフィットし切れず、自陣でボールを失い、相手のカウンターを誘う場面もあった。真骨頂は後半、ひとつポジションを下げ、トップ下でプレーするようになってからだろう。

 南野と縦関係を作ることによって、次々にチャンスを作り出した。下がってボールを受け、持ち運ぶことができるし、強度の高いシュート、精度の高いパスも出せる。ラインの間にポジションを取って、ボールを受ける技術に長けている。そこでためを作って、組織を崩せるのだ。ディフェンスラインの前で決定的な仕事ができるプレーヤーだ。

 2点目は酒井宏樹からのクロスをインサイドで受け、相手の守備陣を動揺させた後、戻したボールが得点につながっている」

■酒井宏樹(マルセイユ)

「モンゴル戦とタジキスタン戦、ともにサイドバックが高い位置を取って攻めるチームコンセプトのもと、与えられた任務を遂行している。モンゴル戦では、伊東と2人で好きなようにサイドを崩した。タジキスタン戦では、左利きの堂安律(PSV)を中央に入らせ、サイドで幅を作りながら、奥深くまで侵入し、決定的なクロスを配給している。2点目の南野へのクロスは秀逸だった」

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