代表初ゴールの鎌田大地は苦笑い。「人生でFWをやったことがない」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 代表で新たな役割を与えられることを意気に感じながらも、自らの適性については冷静に見つめていた。

 モンゴル戦は、投入された時点ですでに5-0。内容的にも、ほとんどの時間帯で日本がボールを支配していた。そんなこともあって、鎌田はふだんのような中盤的なプレーを意識することはなく、ピッチに入った時から得点にフォーカスしたプレーを選択した。ピッチに入った当初は1トップなのか2トップなのかがわからず、永井謙佑(FC東京)と何やら話し込んでいた。2トップだとわかってからは、プレーが落ち着いた。

 強くゴールを意識したのは、クラブで得点が取れていないことが「気になっていたから」だと言う。リーグ戦では開幕戦から全7試合に出場しながら1アシスト止まり。得点となると8月11日のドイツ杯1回戦が最後なのだ。

「本当に点が取れてない状況で取れたので、とりあえずよかったなと思います。クラブで点を取れてないことが、僕の中ではすごくあったので、今日みたいにチャンスが多い中で得点して(フランクフルトに)帰れば、自信にもつながる。もう1試合(タジキスタン戦)がすごく大事かなと思います。プロに入ってからのキャリアでも、初ゴールまで時間がかかったけど、取れてからは(続けて)取れているので」

 久しぶりにゴールを決め、森保ジャパンのFWとしての可能性も示したモロッコ戦。手にした手応えを確かなものにするためにも、タジキスタン戦で再びチャンスを得て結果を残したいところだ。


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