U-22のエース上田綺世。ストライカーとしての本質をさらけ出した (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 是枝右恭●撮影 photo by Koreeda Ukyo, AFLO

―― では続いて、"持っている"ということですが、これまでの人生でそう感じることが多かった?

上田 そうですね。今、(鹿島アントラーズの一員として)この場にいるということがまず、"持っている"と思う。ただ、"持っている"のひと言で片付けるのも、違うかなと思います。これまでのサッカー人生を振り返れば、持ってないこともありましたし。だからこそ、ノルテ(鹿島アントラーズジュニアユース)からユースに上がれなかったり、鹿島学園(高校)からプロに行けず、法政(大学)に行ったりしたわけで。

 ただ、プロになるという目標を叶える過程で回収できたというか。ここで点を獲ったら、「もうひとつ上の上田綺世になれる」というタイミングで点を獲れたり、ポイント、ポイントでチャンスを掴んできたから、今があるんじゃないかと思います。

―― ユースに上がれなかったこと、高卒でプロになれず大学に進学したことは、当時は挫折だったかもしれないし、回り道のように思えたかもしれない。それでも、プロになれた今は、いい道だったなという想いも?

上田 後悔はないですけど、ベストだったとは思わないですよ。ノルテからユースに上がり、トップにも昇格して活躍して、(安部)裕葵(バルセロナB)みたいに20歳で海外に行くのが、サッカー選手としてはベストかもしれない。

 ただ、何がベストかはわからないから、今をベストにすべき。ユースに上がれなくても、大学に進学しても、それがベストだったと思える結果を最終的に得られればいいんじゃないかと。今はまだ、ユースに上がれなかったり、法政に行ったりしたことが正解だったかは、わからないです。

―― メンタルに関しては、強いほうだと。

上田 メンタルに関しては、捉え方がいろいろあるので難しいですね。たとえば、大舞台でミスすることなく、普段どおりのプレーができる選手のことを「メンタルが強い」と言うかもしれないし、逆に、試合中に何度ミスをしても堂々としていて、何度もトライできる選手のことを「メンタルが強い」と言うかもしれない。

 僕はFWなので、シュートを打ってナンボ。外すことを恐れてはいけないと思うんです。どの選手でも、シュートを外し続けたら、打つのが絶対に怖くなると思うんですけど、僕はそれを楽しめるというか。

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