スタメン選択に議論の余地あり。2次予選はマンネリ化より新戦力強化だ (5ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 これは、歴史的にも日本サッカーが最も苦手としている部分であり、格上のチームが身につけていて然るべき賢い戦い方でもある。森保ジャパンでも、度々指摘されてきた課題のひとつだ。

 最初から最後までゴールを目指すことに、あまり意味はない。少なくとも、超がつくほどの格下相手の試合が続く2次予選では、できるだけエネルギーを使わずに勝ち点3を積み上げるのが、本当の強いチームといえるのではないだろうか。

 弱いチームにそれができなければ、拮抗した試合で上手に試合を終わらせることはできない。そのための訓練の場として、このミャンマー戦の展開は最適だった。

 もっと言えば、敢えてベストメンバーで戦わず、2次予選の間は最終予選や3年後のW杯本大会を見据え、新戦力を発掘して即戦力に仕立て上げる作業が求められるのではないか。そういう点で、森保監督の「常にベストを尽くす」手法が、果たして2次予選に相応しいのかどうかを議論する余地はあるだろう。

 アジアカップのAチームで2次予選を戦い続け、1試合ないし2試合の消化試合でBチームを編成しても、そこで即戦力は育たない。日本と他チームの実力差からすれば、Bチームに東京五輪世代の選手を組み込んだチームを編成しても、十分に勝ち点3は積み重ねられるはず。たとえ失敗しても、1度や2度なら十分に取り返す余地が残されているのが、2次予選なのである。

 最終予選以降にマンネリ化を引き起こさず、上昇気流で本番に臨むためにも、いまから長期的な戦略でチーム強化を図る工夫も必要だと思われる。

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