スタメン選択に議論の余地あり。2次予選はマンネリ化より新戦力強化だ (2ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 グループリーグ1戦、2戦をベストメンバーのAチームで戦い、突破を決めたあとの3試合目は控え選手主体のBチームを編成。そして決勝トーナメント以降は、欠場者を除くAチームで最後まで戦い続けるという手法だ。

 本番では文字どおり常にベストを尽くす。点ではなく線で見てみると、これほどわかりやすい監督はいない。そういう意味では、2次予選初戦をターゲットに逆算した場合、本番前の準備試合となったパラグアイ戦のスタメンが、当然ミャンマー戦のスタメンになることはおおよそ見当がつく。

 GKは権田修一。3月のボリビア戦から3戦連続でシュミット・ダニエルが先発したことで正GKが決まったかに思われたが、そこは臨機応変。おそらくヤンゴンの試合ではピッチ状態が劣悪であること、一方的に日本が攻めることを想定したのだろう。森保監督は、ビルドアップ能力に特長があるシュミット・ダニエルではなく、アジアカップも経験している堅実派の権田を妥当にセレクトした。

 最終ラインは鉄板4人、酒井宏樹、冨安健洋、吉田麻也、長友佑都。ダブルボランチは、柴崎岳のパートナーにパラグアイ戦に続いて進境著しい橋本拳人を起用。2列目はお馴染みの3人、堂安律、南野拓実、中島翔哉が並び、1トップに大迫勇也という面々である。

 遠藤航のコンディションがどれほどなのかはわからないが、いわゆる現時点でのベストメンバー。奇しくも、橋本を除けば今年1月のアジアカップにおけるAチームとほぼ同じ面子となった。これを成熟と見るか、停滞と見るか。意見は分かれるところだ。

 そんななか、アジアカップ時と変化している印象を受けたのが、大迫と南野の関係性だ。森保ジャパンの基本布陣は4-2-3-1で、守備時は大迫と南野が並列になって4-4-2に変化する。攻撃時は大迫が前で張り、主にその後方で南野が動き回るというのが基本の立ち位置になっていたが、パラグアイ戦とミャンマー戦ではそれが逆になっている時間帯が圧倒的に増えている。

 大迫が下がってプレーし、そこに相手のマークを引きつけて前線にスペースを作ることで、南野が前線に空いたスペースを有効利用する形だ。大迫のポストプレーが日本の攻撃の生命線であることは相手チームもスカウティング済みだと考えれば、今後もこの形がベースになる可能性は十分考えられる。

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