3試合連続ゴール中の大迫勇也。
エース好調の要因はふたつある

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Kishimoto Tsutomu/PICSPORT

 その好調さを持ち込んだのがパラグアイ戦だった。23分の先制点は、橋本拳人(FC東京)が中島翔哉(ポルト)につなぎ、中島は2人に挟まれながら中央の堂安律(PSV)へ。堂安がワンタッチで左に出すと、長友佑都(ガラタサライ)が運び、中央へクロスを入れた。クロスは相手DFの足に当たったものの、大迫は左足で合わせるだけだった。

「もうあれは練習どおりの形です」と、大迫は胸を張った。

 1年前の森保ジャパン立ち上げ時、話題になったのは2列目の中島、南野拓実(ザルツブルク)、堂安の3人の輝きだった。だがそれは、大迫が前線で体を張り、犠牲になることも厭わない献身的なプレーを見せていたからこそでもあった。当時、大迫は「新しい選手たちが結果を出せるのは、長友さんや(酒井)宏樹(マルセイユ)がいるから」と、両サイドバックの名前を挙げた。自分の名前を出すことはしなかったが、大迫も間違いなく若手を支えたひとり。パラグアイ戦でもあいかわらず体を張り、チャンスを作っていた。

 クラブでも代表でも、大黒柱として信頼を受ける大迫。活躍すればするほど頼りたくなるのは自然なことだが、先述のように、その好調は代表に呼ばれない期間があったことによってもたらされている。クラブと代表、両方でのフル稼働は諸刃の剣となり得る。

 格下相手との戦いが続くW杯アジア2次予選。大迫をはじめ欧州組の主力たちを毎回招集するのではなく、それぞれのクラブでの戦いに集中させるのも、ひとつの手ではないだろうか。

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