冨安健洋と安西幸輝が偉大な先輩SBとのポジション争いに名乗り (3ページ目)

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「環境はすごくいいです。(ポルティモネンセのホームタウンは)すごく小さい町ですけど、僕にとっては住みやすくて、サッカーに打ち込めるところ。ただアウェーは大変で、バス移動が7、8時間あったり、ピッチがデコボコしていたり、湿度が異常に高かったり。

 でもそういう環境が、僕を強くしてくれている。たぶん代表で試合に出ている人たちも、そんなことを乗り越えてきて、今があるのだと思います。僕も今は色んなことを経験して成長する段階だと思っているので、がむしゃらについていって、(代表の)2人の偉大なSBを早く追い越せるようになりたいです」

 この試合で代表3キャップを記録した安西が、ケタがひとつもふたつも違う先達の定位置を脅かす存在になるには、何が必要になるだろうか。本人はこう考えている。

「今日は前半の45分間、長友さんのプレーをずっと近くで見ていたのですが、守備の1対1の時、相手との駆け引きがものすごく上手でした。シンプルにすごかった。攻撃の駆け引きは僕もよくやるんですけど、またひとつ勉強になりました」

 ただその一方で、安西は手応えも感じている。ポルトガルではすでに、3強のひとつ、スポルティングとも対戦しており、高いレベルの外国人選手には慣れてきているようだ。

「3月の初招集のときよりも、(外国人の)相手に慣れてきました。スポルティングのようなポルトガルでも抜きん出たチームと対戦して、ものすごく速いウイングとも対峙して。本当にいい勉強になりました。そういう選手がゴロゴロいるなかで、代表(の主力)選手たちは揉まれてきたんだと思います。僕もいろんなことを吸収して、成長したいです」

 中央から右に挑戦する20歳の富安と、左右のSBで能力を高め続ける24歳の安西。汎用性も高い2人が、今後日本代表の最終ラインで存在感を増していくはずだ。

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