2019.09.07

これで満足していいの?
選手を称える森保一監督に違和感を覚えた

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 森保監督就任当初の新生・日本代表は、面白いようにボールが前に進んだ。ボールを保持していたとしても、ポゼッションのためのポゼッションにはならない。それこそが、このチームの魅力だった。

 しかし、パラグアイ戦では、そんな展開をほとんど見ることができなかった。

 その要因のひとつが、選手間の距離が遠すぎたり、近すぎたりという、いわゆる”距離感の悪さ”だろう。

 一見、リズムよくワンタッチやツータッチのパスが回っているように見えて、実は距離が近すぎるため、強引に狭いエリアに突っ込んでいくばかりで、効果的な攻撃にはつながらない。あるいは、逆に距離が遠すぎることでパスコースを見つけられず、出しどころがないままキープしたり、バックパスしたりという結果に終わっていた。

日本の2ゴールをお膳立てした中島翔哉 そんな手詰まり感漂う流れを、中島が変えてはいた。

 先制点の場面で、中島は相手選手ふたりを背負った状態で縦パスを受けたが、ワンタッチで堂安にボールを預けることで、2枚のプレッシャーを無力にした。

 また、2点目のチャンスメイク――瞬間的にタメを作り、スルーパスのコースが空くのを待ったプレーも同様で、中島の技術とアイデアがふたつのゴールを呼び込んだわけだが、言い換えれば、これらの数プレーを除けば、縦パスを入れては潰されたり、詰まったりの連続だったのだ。

 相手のパラグアイが、「言い訳はしたくないが、長距離移動が多少なりとも影響した。フィジカル面で日本とは互角に戦えなかった」(ベリッソ監督)ことを考慮すると、収穫が乏しい試合という印象はさらに強いものになる。

 コンディションがいい相手なら、縦パスを入れた瞬間を狙われてボールを奪われ、カウンターを食らう。そんな危うい場面が増えていた可能性は十分にある。

「選手が意思疎通を図り、イメージを共有してくれた。連係と個での突破というよさを出してくれた」

 森保監督は試合後、そう語り、選手たちを称えていたが、素直に賛同するのは難しかった。というより、むしろ違和感すら覚えた。

 よく言えば、選手それぞれが考えながらプレーしているとも言えるが、悪く言えば、それぞれの勝手な考えがチームとしてつながっていない。そんなチグハグさを感じたからだ。

 選手を大幅に入れ替えた後半は言うまでもないが、すでに何試合も同じメンバーで戦っているはずの前半でも、大まかな印象は変わらない。