鈴木武蔵が語ったリオ五輪組の決意「代表の主力になってW杯へ行く」 (4ページ目)

  • 佐藤俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 高橋茂夫●撮影 photo by Takahashi Shigeo

――初めて挑むことになりそうなW杯予選への抱負を聞かせてください。

「楽しみでしかないですね。1試合、1試合、勝利にこだわって戦っていく。カタールW杯は、年齢的に一番いい時期で迎えられるし、もしかしたら(W杯に出場できる)最後の大会になるかもしれないですから、そこで出場して、点を取りたい。

 ただその前に、予選に勝つことが大事。チーム内でのレギュラー争いもあります。FWには大迫(勇也)さんがいますからね。僕は、大迫さんを追い越すことはできないと思うので、大迫さんみたいな選手になるのではなく、自分のオリジナリティーを出して戦うしかないと思っています。

 あとは、森保監督が判断することですから。大迫選手がいい、と監督が判断をすれば、それはそれで仕方がありません。プレースタイルの違いによる差だと思いますから」

 カタールW杯までは、2次予選、最終予選と長い戦いが続く。そのなかでは当然、選手の入れ替わりがあるが、最後まで必要とされた選手は、そのまま主力としてW杯に行きつくことができる。その"グループ"に入ることができれば、鈴木が「最大の目標」とするW杯も見えてくる。

 そのために、今はペトロヴィッチ監督のもとで、ストライカーとしての自分磨きを続けている。実際、確固たる成長を見せており、だからこそ、日本代表への道も開けた。そういう意味では、リオ五輪から着実にキャリアアップしているが、ここまで、自分の思い描いてきたプランどおりに来ているのだろうか。

「今、25歳ですけど、昔(の自分のなかで)描いていたものとはかなり違いますね(苦笑)。20歳前後で海外に行きたかったですから。でも、その夢はまだ捨てていません。海外で、言葉がわからない厳しい環境のなかでも点を取っていく――修行に近い感じの海外移籍をして、成功したい。できれば、W杯に行く前に海外で揉(も)まれて、自分に足りないものを補って、万能型のFWに本当になりたいです」

 世界で戦う準備は整いつつあるが、今の鈴木には結果を残すことも必要だ。目標のシーズン15得点をマークし、チームをAFCチャンピオンズリーグ出場圏内に導くこと。それが実現できれば、カタールW杯前に、海外行きのチケットを獲得することも、決して難しくはないだろう。

 そうして、鈴木武蔵という"脅威"はさらに増大していく。それが、鈴木のためにも、もちろん日本サッカーのためにもなる。

(おわり)

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