国内無敵。最強ベレーザが目指すサッカーは世界最高レベルだ (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 決勝では、INACの徹底した守備に苦しめられ、先制点を奪われながらも、「あの1点は大きかった」と敵である鈴木俊監督をうならせたゴールは奪ったのは有吉。そして、試合を決めたのは延長後半の田中の2発だった。この2人のゴールには、当人の意地とプライドが詰まっていたが、それ以上にメニーナの選手たちへの想いが込められていたように感じた。

 優勝を決めたあと、サポーターの前で、ベレーザの選手全員で写真に納まろうとしている姿をピッチ脇でメニーナの選手たちが笑顔で見つめていた。それに気づいた岩清水らが彼女たちを呼び寄せた。この優勝は、メニーナの選手たちの努力がなければ成し得なかった。全員でつかんだタイトルだと、写真に納まる選手たちの笑顔が物語っていた。

 苦しみながらも獲得した一冠に、喜びとともに課題を口にしたのは籾木結花だ。なかなかパスを受けることができない時間帯が多かった。それでも自ら強引に持ち込むゴールへの執念を見せたが、本人は満足できるプレーではなかったようだ。

「前半にたくさんチャンスがあったので、そこで決めきれるかどうか。この間のワールドカップもそうですし、そこが勝敗を分ける。それができれば、勝利を確実に、より簡単に手に取れるはずなので、まだまだ足りないところだと思います」

 ワールドカップでは、ケガのため、わずかな時間しかピッチに立つことができなかった籾木。ラウンド16のオランダ戦では、ゴールが欲しい時間帯に出場のチャンスを得たが、訪れたビッグチャンスをモノにできなかったことを、帰国後も思い出すという。

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