2019.07.18

世界2位の快挙から20年。
酒井友之は「新・黄金世代」を育てたい

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 酒井は、ジュニアユースの指導を楽しんでいるという。小学生では、酒井が伝える技術や戦術をなかなか理解できないことが多いが、ジュニアユースのレベルになると理解して、指導したことをピッチで具現化できるからだ。ただ、いい選手はいるが、「なかなか小野伸二を超えるレベルの選手は出てこない」と苦笑する。

「伸二(写真中央)はひとりだけ違うレベルでサッカーをしていた」(酒井・写真左。写真右は手島和希) photo by Yanagawa Go「(小野)伸二と初めて会ったのは15歳の時だったんですけど、ひとりだけ違うレベルでサッカーをしていた。何をやると伸二みたいな選手になるのかなあ......わからないですね(苦笑)。僕がジュニアユースのころは、マラドーナが好きで自由にやっていたんです。今の子は型にハマりやすいので、小さい時から自分のやりたいこと、特徴を伸ばしていくような指導を続けていかないといけないかなって思っています」

 ジュニアユースの選手たちは、酒井の現役のころのプレーを知らない。だが、浦和でプレーしたことやワールドユースで準優勝したことを知っている選手は多い。親の世代になると、酒井のことを良く知り、「あの(黄金)世代ですよね」と言われることも多いという。

「黄金世代って言われるのは、単純にうれしいですよ。サッカーをやってきた僕の同年代とか、上の世代の人たちはもちろん、サッカーをやらないファンの人も『黄金世代ですね』と覚えてくれているから。話をしていて『伸二やイナ(稲本)とかと同世代です』というと、『あーそうなんだよね』と思い出してくれる人もいる。名前を出すとあらためてすごいメンバーとやっていたんだなって自分でも思うし、あのメンバーと一緒にサッカーをやれたのは本当にラッキーだったなと思います」

 ワールドユース準優勝から20年経過した今もなお、酒井たちが達成した記録は破られていない。あれから日本サッカーは成長し、W杯は98年フランス大会を含めると6大会連続で出場している。香川真司や長友佑都らビッグクラブでプレーする選手も生まれた。プラチナ世代など、特別な名称をつけられた世代もあるが、準優勝の輝きを超える世代は出てきていない。