スペインの名伯楽がコパの日本選手を個別評価。「優ではないが良」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Watanabe Koji

MF
柴崎岳(ヘタフェ)

 3戦ともボランチで先発。中盤の指揮者として、華麗にチームを動かしていた。キックの質が図抜けて高く、判断も迅速で閃きを感じさせる。チリ戦でのショートカウンターからの縦パス、サイドからのクロスなど、上田綺世とのコンビネーションは抜群だった。終盤、ハイボールの対応を誤ってヘディングを後ろに反らしてしまい、失点の契機になっている。

 ウルグアイ戦では先制点のシーンで、相手の逆を取るコースにパスを打ち込み、三好のゴールを演出した。それ以外にも、ミドルシュートを打ち、効果的なパスを入れていた。下がってビルドアップに加わり、プレーメーカーとして好プレーを見せている。エクアドル戦でも積極的にバックラインと連係し、前線にパスを供給し、振り分けていた。とくに三好とのタイミングの取り方がよかった。ただ、全体的にエクアドルのプレッシャーには苦しんでいる。

中山雄太(ズヴォレ)

 チリ戦でボランチとして先発。チリの先制点のシーンでは、ゴールを決めたエリック・プルガスをマークしていたが、完全に競り負けてしまった。

板倉滉(フローニンゲン)

 ウルグアイ戦とエクアドル戦に先発。ウルグアイ戦では試合開始直後、センターライン付近で軽率にボールを失い、スアレスにロングシュートを打たれている。危険なボールの失い方が、少なくとも3度はあった。エクアドル戦でもボールコントロールのミスから相手にボールを渡してしまうなど、強度の高いプレッシングに戸惑っていた。ただ、守備面では持ち場を守って、シュートブロックする場面もあった。
(つづく)

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