スペインの名伯楽がコパの日本選手を個別評価。「優ではないが良」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Watanabe Koji

DF
原輝綺(サガン鳥栖)

 チリ戦に右サイドバックで先発したが、終始、経験豊富なアレクシス・サンチェスへの対応に苦しんでいた。

岩田智輝(大分トリニータ)

 ウルグアイ戦では積極的に攻撃参加し、意欲を見せていた。右サイドで三好康児と連係し、コーナーフラッグ付近まで侵入している。エクアドル戦では高さの点で弱点になっていた。失点シーンは、エリア内で相手選手に、クロスを胸でコントロールされてしまうなど、マーキングが甘く、対応することができなかった。ただし攻撃面では、三好、久保建英と目を見張る連係を見せていた。とくに三好とは右サイドで幅を作り、深みを作っていた。

杉岡大暉(湘南ベルマーレ)

 3試合とも先発。チリ戦は高い位置を取ったときは効果的なプレーを見せ、攻撃に絡んでいたが、クロスの精度に難があった。守備面では左サイド全体が手薄だったことで、敵の右サイドバックの侵入をたびたび許している。ウルグアイ戦では左サイドで中島翔哉と連係することで、幅と深みを作っていた。高い位置では好プレーが多く、2点目のクロスも上げている。

 エクアドル戦は、相手のプレスに対して左サイドでボールの出どころになろうとしたが、なり切れていなかった。後半はペドロ・ベラスコに走り負け、クロスを折り返され、アイルトン・プレシアードにシュートを打たれてしまった。ヘディングでボールを前に突き出され、そのまま突破を許したシーンもあった。

植田直通(セルクル・ブルージュ)

 3試合すべてに右センターバックで先発。ウルグアイ戦でPKを取られたシーンは少し気の毒だった。エクアドル戦では、距離感が悪く通らないパスはあったが、目立ったミスはしていない。後半65分に見せた、FKから相手の動きを予期し、準備動作で上回って、好ポジションから放ったヘディングは可能性を感じさせた。その高さが注目されているようだが、そうした動きの細部にこだわることで、プレーは改善できる。

冨安健洋(シント・トロイデン)

 3試合すべてに左センターバックで先発。大会を通じて日本の4バックを支えていた。アジアカップ以来、成長著しく、試合ごとに着実に能力を改善させている。しかし、ウルグアイ戦の2失点目では、対峙したホセ・ヒメネスに完全に競り負けている。エクアドル戦でも、高さへの対応で後手に回る場面があった。また、不用意なパス交換のせいで、自陣で危機的な状況を招いている。

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