ブラジルのレジェンドは久保と中島が
お気に入り。「一気にファンに」

  • 大野美夏●取材・文 text by Ono Mika
  • photo by Watanabe Koji

 中島翔哉と久保建英の2人のことは、とても気に入った。2人とも高いテクニックを持っている。久保は今18歳であれだけのクオリティーを持っているのはすごいことだ。このままA代表に定着して、活躍できるポテンシャルを持っている。

「中島と久保はとても気に入った」(ワシントン氏)「中島と久保はとても気に入った」(ワシントン氏) ウルグアイ戦で中島がDF2人をドリブルとフェイントで抜いたが、あのプレーは印象に残った。あのプレーを見たブラジル人は一気に中島のファンになったと思うよ。ブラジル人はああいう大胆かつ独創的なプレーが大好きだからね。ウルグアイDFはファウルでしか止められなかったんだ。本来ならPKをもらえるはずだ。あれはジャッジのミスだった。

 久保のテクニックも、僕が日本でプレーしていたころ、18歳であれほどのことができる選手にはお目にかかったことがなかった。こうして若くて才能溢れる選手がどんどん現れてくれば、今後の日本サッカーの躍進は間違いないだろう。


「久保はまだ香川を超えていない」
レヴィー・クルピ(元セレッソ大阪、ガンバ大阪監督。現アトレチコ・ミネイロ監督)

 森保一監督は今回、U-22代表の選手主体のチームでコパ・アメリカに臨んだ。A代表と五輪代表はまったく異なるチームである。選手も変わるし、監督というのは一つのチームを作るのに全精力をかけるものだ。となると、1人の監督がまったく性質の異なる2つの代表を同時に見るのは、かなり難しい仕事と言える。

(五輪代表は3バックを採用してきたが、コパ・アメリカでは4バックにしたことについて)これまで使ってきたシステムを変えるというのは、簡単にはいかない。組織プレーの精度を上げるためには時間がかかるものだ。

 今回の日本のパフォーマンスに関しては、まあまあから良いの間と言える。平均年齢22歳という若手主体で戦った中、2分1敗というのは、悪くない結果だった。

 ウルグアイとの試合が最も印象に残った。組織プレーがいちばん機能した試合だった。選手個々のレベルという意味では、中島翔哉と久保建英のクオリティーは非常に高いと感じた。ただ、私は日本で監督をしていた時、特別な選手たちと出会っている。柿谷曜一朗、乾貴士、香川真司だ。

 だから、このコパ・アメリカで見た日本人選手たちが、テクニックにおいてこれまでの日本人とかけ離れた才能の持ち主だとは思わない。中島と久保が香川を超えたかと言えば、久保はたしかに18歳にしてはすばらしい才能を持ち、この先がとても楽しみだが、今の時点ではまだ香川を超えていない。これからどうなるか期待したい。

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