ブラジルのレジェンドは久保と中島がお気に入り。「一気にファンに」 (3ページ目)

  • 大野美夏●取材・文 text by Ono Mika
  • photo by Watanabe Koji

 そして、欧州は組織プレーだから、常にチームの中で役に立つこと。日本人はテクニックも高くなったし、一生懸命やるという真面目さがある。これらは大事なことだが、もう一つ殻を破るには『勇気を持つこと』。日本人は奥ゆかしく、恥ずかしがりで、引っ込み思案なところがあるが、フィールドでは大胆な人間にならないと。

「FWはテクニックだけではゴールできない」(カレッカ氏)「FWはテクニックだけではゴールできない」(カレッカ氏) 勇気を持つことは「俺が決めてやる!」という責任感だ。「俺はFWだ。俺にボールをよこせ!俺が決めてやる!」とチームメートに声をかけて、ボールをもらえ! 大胆で、型破りなボールを蹴ってやるんだ。

 FWはテクニックだけではゴールできない。ときには、"マランドラージェン(ルール内の駆け引きやずる賢さ)"を使ってでもゴールしないといけない。それがFWなんだから。これからも日本を応援するよ。


「少ないチャンスを確実に生かすこと」
ワシントン(元東京ヴェルディ、浦和レッズ。現ブラジル市民省・スポーツ特別部部長)

 今回の日本は、U-22代表主体の若手チームだった。にもかかわらず、優勝候補の一角と言われたウルグアイ代表と互角に戦い、エクアドル戦ではゲームの主導権を握り、そのクオリティーの高さを見せることができたと思う。日本サッカーは着実に進化していることを証明した。

 ただ、日本選手がまだ弱いのは、フィニッシュでゴールを決めきれないところだ。僕たちセンターフォワードのいちばんの役割は得点すること。90分間のうち、何度もボールを触るチャンスに恵まれなくてもいい。でも、少ないチャンスを確実に生かすこと。そのために僕らはいるんだ。FWはチームの勝利を左右する大きな責任がある。エクアドル戦でも日本はあと一歩というところまで敵を追い詰めた。このチャンスを生かしゴールできていたら、決勝トーナメントに進んでいた。そう思うと残念だが、それでも、日本サッカーは正しい方向に進んでいると思うよ。

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