ブラジルのレジェンドは久保と中島が
お気に入り。「一気にファンに」

  • 大野美夏●取材・文 text by Ono Mika
  • photo by Watanabe Koji

 久保建英のことは今回初めて見たんだけど、ダイヤモンドの原石だね。日本のメッシと言われることを彼は嫌うみたいだけど、いくつかのプレーでメッシを彷彿させるのは事実。テクニックに裏づけされた彼のアドリブ力は、相手チームのシステムを崩すのに大きな力になった。

 18歳以上のプレーぶりだとは思うが、まだ育成段階の選手であることを忘れてはいけない。要所、要所のプレーに、もっといい選択をすべきだったというものもあった。でも、それは彼の能力の問題ではなく、ただ経験不足というだけ。サッカー選手の最高の状態は24歳から29歳と言われる。久保は、この先まだ6年も最高の状態に持って行くまでに時間があるということだ。失敗をしながら、経験をしてさらに完璧な選手になる時間はたっぷりある。

 もう1人いい選手は中島だが、彼はすでに24歳で久保よりも一歩上を行っている。しかし、久保がこの先中島の年になったら、もっと上をいく選手になっているだろう。


「常に結果を出し続けないといけない」
カレッカ(元柏レイソル。現カレッカーセンター経営者)

 チリ戦の0-4という結果は予想以上のスコアになってしまったが、初戦で、しかも若手主体で、プレッシャーを感じたのは仕方がなかった。

 ウルグアイは私の予想では優勝候補だったが、日本は互角に戦った。VAR判定でウルグアイがPKを得て、日本は反対に中島翔哉に対するエリア内のファウルだったにも関わらずPKをもらえず、結果は正当でないが、日本がいい試合をしたことには違いない。

 若手主体で、目標は来年の東京五輪を見据えてのチームということで、コパ・アメリカで経験を積んでいい方向に進んでいると思う。今の若い選手が、どんどん欧州のクラブに移籍して世界で戦っていることはすばらしいことだ。

 欧州の名だたるクラブと契約したのなら、それはその選手にそれだけの価値、才能があるということだ。ただ、1試合いいプレーをしたからって、信頼は勝ち取れない。常に一定以上の結果を出し続けなければ。

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