ブラジルで「失ったものを取り戻す」岡崎慎司は6年前と同じ覚悟だった (3ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 勝負のかかったゲームで岡崎を外すという選択肢はなかったのだろう。岡崎が再び今大会を振り返る。

「自分がFWとしてどれくらいのレベルでやれるかっていう点で、試金石になったのは本当によかった。自分のサッカー人生で、FWとして、もう1年も無駄にできないんで。ゴールって、奇跡的に今日獲れたとかじゃなくて、毎試合獲っている選手が獲れるものだと思うんです。クラブで20点くらい獲っている選手が代表でも獲れる。そういう感覚を自分も持っておきたい」

 ストライカーとしての動き方、感覚、怖さは間違いなく取り戻した。あとは、ゴールがついて来さえすれば――。

 今の岡崎なら、「ほしい」と手を挙げるクラブは数多くあるだろう。そして、9月からスタートするカタール・ワールドカップ・アジア予選の日本代表のメンバーに、岡崎の名前があってもおかしくない。

 6年前と同じように、まぎれもなく岡崎はコパ・アメリカで自身のキャリアを切り開いたのだ。

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